編集長のズボラ料理(894) アサリとハクサイの煮物
アサリの吸い物はおいしい。勤め先が大阪市・北新地の入り口にあったころ、新地の料理屋さんに昼ご飯を何度が食べにいった。何と豪華な昼ご飯、と思うだろうが……。
夜なら、すぐに万のお金になる。そんな店に縁はない。でも昼は違う。4半世紀も前のことで、当時の料金で1000円。これなら何とかなる。ただしメニューは親子丼だけ。席はカウンターだけを使っていた。さすが料理屋さんの親子丼ではあったが、実は気に入ったはセットになっていたアサリの吸い物だった。
みそ汁ではないから透明だが、さすが料理屋さんで、透き通るような透明さ。うまみもさすが料理屋さんで、上品なこと。当たり前だが。
京都市・祇園でもアサリを食べた。遍路仲間で建仁寺に行き、近くの小料理屋さん「祇をんきらら」で昼ご飯にした。いろどり御膳で、2500円とリーゾナブルだった。
大きな皿におばんざいが少しずつ10種類乗り、エビなどの天ぷらと野菜サラダが組み合わせてあった。ご飯とみそ汁がついている。おばんざいは野菜中心で、生麩やヤマイモなどが、京都らしさを演出していた。どこにアサリが使われているかというと、それはご飯だった。アサリの炊き込み。さすが小料理屋さん。
遍路仲間は集まると、にぎやかにおしゃべりをする。ところが、この店では静かだった。カウンターだったせいもあるが、やはり店の雰囲気だろう。さすが祇園。
ありそうでないアサリの食べ物の例。僕は京都府の1番南の木津川市に住んでいる。北の方の京丹後市や宮津市とタイアップして、南北2つの地域の特産物を売る催しが、自宅のすぐ前のイオンで時々開かれる。そこで、宮津市・吉野茶屋のアサリコロッケを買ったことがある。ジャガイモをつぶし、ミンチや肉の代わりに、アサリを入れていた。アサリのしっかりした歯ごたえがおもしろかった。
今回はアサリとハクサイ。アサリは酒蒸しをする。身を殻からはずす。出たスープは取っておく。白菜は真ん中の白くて固い部分はそぎ切り、緑の葉の部分はざく切りにする。鍋でハクサイを煮る。水はヒタヒタ程度。味つけはだしの素、アサリのスープ、みりん、しょうゆ。まず白い部分を煮て、後からアサリと葉を入れる。
「きらら」では、みんなおしとやかだった。それでは収まらないのが僕らの仲間。高島屋京都店の地下の飲食店コーナーに行き、ギョウザ専門店「歩兵」で軽く飲んだ。にぎやかに。(梶川伸)2026.08.17
更新日時 2026/08/17