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編集長のズボラ料理(36) ゴボウと牛肉のワイン蒸し

タジン鍋はそのまま食卓に出せるので便利だ

 一緒に四国八十八カ所を回った遍路の仲間は、とても仲良しだ。でも、わがままだ。
 その仲間の遍路旅は、僕が行程表を作るので、できるだけ要望を聞き、それをコースに組み込むことにしている。香川県丸亀市で人気のトリ料理「骨付鳥(ほねつきどり)」の店「一鶴」を昼食場所に選んだ。予想通り「トリは嫌い」という人が3人出た。3人のために、一鶴から近い和食の店「魚よし」を用意した。計算ずみである。
 骨付鳥は骨のついたもも肉を、丸かぶりして食べる。固い「おやどり」と柔らかい「ひなどり」の2種類がある。おやどりが有名なのだが、年寄りばかりなので、バスの中でどちらにするか聞いてから、店に注文しておいた。ところがである。おやどり食べた最長老のが「固くて食べられん」と言う。あげくに、「歯が欠けた。旅行保険で何とかならんか」と、騒ぎ出す。まあ、冗談ではあるが。
 トリ組のほとんどは「ケッコー、ケッコー、コケコッコー」と満足していた。ところが、合流した和食組が「おいしかった」を連発すると、「和食にすればよかった」とブーブー言い、トリから豚へと変身した。これは計算外だった。
 霊場参拝のついでに、観光地にも寄る。そんな時には、思い思いの行動を始める。バスに戻る時刻になっても、バラバラである。そんな時には、威力を発揮する一言がある。「わがままツアーのみなさん、集合!」。わがままを自認しているので、観光客の中に紛れていても、自分が呼ばれているのがわかるのだ。
 先日、遍路仲間の同窓会と称して、滋賀県近江八幡市の方面に紅葉狩りに出かけた。「近江牛を食べねばならない」と当然のように言う人がいる。「高いんやでえ」と抑えるが、「ねばならない」を繰り返す。やはり牛肉はごちそうなのだ。考えたあげく、休暇村近江八幡に泊まれば、夕食のバイキングに近江牛がついているので、そこに泊まることにした。
 すると「バイキングはせわしない」とわがままを言う。やむを得ず、近江牛会席に変えた。それだけで、1人当たりの負担金が3000円近くアップしてしまった。さて、待ちに待った近江牛。ローストビーフ、朴葉(ほおば)焼き、シャブシャブと出てきて、ほかに近江牛以外の料理が並んだ。初めは近江牛をパクパク食べていたが、やがて「こんなに食べられへん」と言って、残りを僕の前に並べ始める。「年を考えなさい」と思ったが、おいしいので食べ続けた。でも、「こんなに食べられへん」。
 近江牛ではないが、遍路の宿で出た肉料理を、ズボラ風に少しアレンジした。タジン鍋に軽くバターをひく。ゴボウのささがきを大量の乗せる。その上に牛肉の切り落としを敷き詰める。赤ワインにしょうゆと砂糖を入れてかき混ぜ、肉の上からかける。タジン鍋のふたをして、弱火で蒸す。蒸し焼きができればいいので、タジン鍋でなくても良い。(梶川伸)

編集長のズボラ料理

更新日時 2012/12/14


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