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空美ちゃん・空港へ行く⑧ 毎分6000L放水 化学消防車

大阪空港に化学消防車は1万2500リットル級が2台と3000リットル級が1台。給水車や照明車、救急医療搬送車もある

  赤い巨体は最高時速105キロを誇り、毎分6000リットルの放水能力がある。全長11.8メートル、幅3.09メートル、高さ3.7メートル、総重量41トン。大阪空港の1万2500リットル級化学消防車だ。
 放水はフロントガラスの上の放水口がメーンになる。有効射程は80メートルという。バンパーなど合計5カ所に放水口があり、両サイドには手動ノズルが格納されている。全開で放水すると水槽は2分で空になるため、8000リットル級の給水車も配備されている。また、燃料に引火しないよう、火元で酸素を遮断するフッ素系の薬剤も使う。
 この巨体を扱うのは、空港の消防業務などを担う航空保安協会大阪第1事務所。2人1組になって乗り込む。空港消防所は、滑走路をはさんでターミナルから約1.5キロ離れた向かい側にあり、発生場所へ3分以内に到着することになっている。
 管制塔から消防所指令室に飛行機の不具合、着陸時刻などが伝えられると、隊員は消防車に走り、滑走路付近の決められた場所で待機する。飛行機が着陸すると追尾して安全を確認する。このようなケースが年に数回あるという。隊員の大高修一さんは「風向きや飛行機の動きに注視する。急に火が出るかもしれないので状態を見極めることが重要。日々訓練するのみ」と語る。
 消防車に乗り込んで1分以内に特殊防火服を着る。防火服は眠りこけた生後5カ月ほどの子を背負ったような重さだった。空気ボンベなどフル装備すると20キロを超えるそうだ。 進藤郁美)
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」第55号(2013年9月12日)

更新日時 2013/09/10


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